ネット社会の競争力
いま情報ビジネスが花盛りですが、それを支えている一つの大きな基盤
は、なんといっても情報技術でしょう。
その情報技術のうちで、なんといっても革命的な技術革新は通信技術、
インターネットですね。
インターネットの前身は、国防省の高等研究計画局(ARPA=アルパ)
が69年に米国の4つの大学のコンピュータを接続してつくったアルパ
ネット(ARPAnet)です。
アルパネットの通信プロトコルはパケット交換ですが、私がむかし所属
していた米国の研究機関が国防総省の依頼で開発したものです。
その当時私は、パケット交換という通信技術に関心はありましたが、
インターネットがこのような革命的な発展をするとは予想すらしてませ
んでした。
もし予想できたなら、いまごろ億万長者でしょうね。
昔話はこのくらいにして、話を進めましょう。
私がその研究機関のコンサルティング部門で働いていたときに、これか
らのデジタル情報社会(ネットワーク社会)における競争力として、
次のようなモデル式を提唱しました。
競争力=〔(顧客フォーカス+価値ネットワーク管理)* 俊敏性 〕**信頼
− *は積(掛け算)を表し、**はベキ乗を表す
− 顧客フォーカス:事業機能の中核は顧客管理(マーケティング)
− 価値ネットワーク管理:アウトソーシングも含むパートナーシップ管理
− 俊敏性:単なるスピード化ではなく、時機に応じた迅速性
− 信頼:商品および商品提供者に対する信頼(ブランド化)
この競争力のモデルは、21世紀のネットワーク社会のビジネスモデル
を競争力の観点から表していると言っていいでしょう。
この式をわかり易い言葉で表現すると、事業の競争力の向上は、
● 顧客との関係をいかに良好に構築するかに注力し、その他の仕事
(機能)は外部組織にうまくやってもらうようにする
● そして、これをいかに「迅速」にやるか、そして最も大事なことは、
いかに顧客を中心とする利害関係者からの「信頼」を獲得するかが
大きな鍵を握る
ということです。
「顧客フォーカス」や「価値ネットワーク管理」に関しては、もう既に
その重要性は世間では認識されています。
その具体的な例として、「顧客フォーカス」はダイレクト・マーケティ
ング、「価値ネットワーク管理」はドロップシッピングやアフィリエイト
なんかがあります。
しかしこの式で注目するところが、「俊敏性」と「信頼」です。
なにしろ、それぞれ掛け算とベキ乗で効いてくるのですから。
インターネット・ビジネスで『息ながく』やるためには、この「俊敏性」
と「信頼」が鍵を握るのです。特に「信頼」が大事です。
その兆候は出ています。例えば、顧客生涯価値という考え方です。
これからは集客(新規顧客開拓)よりも既存顧客の維持に焦点が移る
でしょう。
「顧客フォーカス」や「価値ネットワーク管理」は、先駆者が既にその
方法論やノウハウを開発してますので、それを利用すれば事足ります。
しかし、「俊敏性」と「信頼」はまだ未開拓な分野であり、あなたが
自分の頭をひねって創り出していかなければなりません。
目先の「儲け」だけにとらわれ、「俊敏性」と「信頼」をおろそかに
しては、『息ながく』ビジネスはできないでしょう。
インターネット技術やインターネット社会の変化をいかに「迅速」に
ビジネスチャンスに変え、顧客とのコミュニケーションを工夫し、いか
に顧客の「信頼」を構築していくかが、これからの勝負なのです。
やれ儲けたの儲けなかったのと一喜一憂せずに、じっくりと腰を据えて
楽しみながらやることが成功につながるのです。